「20世紀の医学的奇跡だ」。
国際移植学会は、全会一致で採択したイスタンブール宣言で、
助からなかった命を救う臓器移植の意義をそう表現した。
同時に、途上国を中心に臓器売買が行われたり、
健康な人から臓器が提供される生体臓器移植の人道的な課題を
重大な問題と警告。
移植を取り巻く世界と日本の現状を報告。
イスタンブールで開かれた国際移植学会には、
日本を含む78カ国から移植の専門家158人が参加。
議長を務めた米ハーバード大のフランシス・デルモニコフ教授は、
「宣言が採択されるまで、席を立たないでほしい」。
議論が集中したのは、生体からのドナー(臓器提供者)の扱い。
宣言案には当初、生体 ドナーを「hero(英雄)」と見なすべき、と記されていた。
しかし、会議に参加した小林英司・自治医科大教授は、
「日本では生体ドナーは、決してヒーローではない。
heroic(高潔な)と修正してほしい」。
日本の生体移植では、主に家族や兄弟姉妹から提供され、
「英雄」というにはそぐわないほか、途上国で行われる臓器売買への批判も。
各国は小林教授の提案に賛同し、文言が修正。
